渥美の貝

日本のちょうどまん中あたり。
太平洋に向かって、大きなカニが両腕を伸ばしています。
その左腕が愛知県渥美半島。
荒々しい外海から両腕で守るように懐に抱いた内海は静か。
その地形ゆえに、表浜(太平洋側)と内海(三河湾)で、
それぞれ異なる多様な貝が、古来ざっくざっく採れました。
その証拠に渥美には貝塚遺跡が10か所も!
アサリ、カキ、ハマグリ、赤ニシ、本ミル貝・・・。
今もこの地で採れる貝がたくさん出土します。
はるか縄文の昔から、ここは日本一の貝の半島だったのです。
四季それぞれに美しい貝を、是非食べに来てください。


大あさり

【メモ】
正式名称はウチムラサキ。その名の通り貝の内側は美しい紫色。高級なアワビや本ミル貝と違って至ってリーズナブル。この味わいこの食べ応えで1ヶ数百円とコストパフォーマンスはピカイチ。

【料理方法】
直火焼きが一番、伊良湖岬では、あちこちで焼き大あさりが食べられる。その他、大あさりのすき焼き。カリっと揚げて旨みを閉じ込めるフライ、煮付け、ムニエル、混ぜご飯、細かく切ってタマネギとかき揚げにしても美味。

旬の時季
大あさり 1年中

【半島暦】
渥美は常春の半島(しま)。イチゴ、メロンなど1年中農産物も豊。瑞々しい野菜や果物も一緒にどうぞ。

平 貝

【メモ】
優に30cmは超える大型の三角形の二枚貝。市場では平貝(たいらがい)と呼ばれる。正式名称はダイラギ。5~15mの海底に三角形の尖った方を下にして突き刺さっているのを、手カギで引っ掛けて採る。
三河湾内の篠島や日間賀島の沖合いで採るが、海底の砂の質によって身の色や味も異なる。

【料理方法】
主に貝柱を食用にする。刺身や寿司以外に、炭火で炙って海苔で巻いて食べると絶品。渥美の濃い味の海苔に負けない平貝の味に感動するはず。

旬の時季
平 貝 春先~入梅ころ  

【半島暦】
1~3月は菜の花まつり。午後6時に点灯する菜の花のライトアップをぜひ。

あさり

【メモ】
三河湾は日本有数のあさりの水揚げ地。太平洋から流れ込む良質なプランクトンと、2つの河川の水が、渥美のあさりを地の言葉でいう「ポンポン」に太らせる。春の地あさりは全国のファンの食卓に届けられるほどブランドとして知られている。

【料理方法】
みそ汁、酒蒸し、ボンゴレのほか、むき身を5~6ヶ串に刺して日干しにし、炙って食べる串あさりも人気。あさりの佃煮の押し鮨は渥美の昔からの家庭の味。

旬の時季
あさり 春先~初夏  

【半島暦】
2月は菜の花まつり真っ最中。1~5月中旬いちご狩り&食べ放題。5月~メロン狩り&食べ放題スタート。

岩ガキ

【メモ】
地元では昔から当たり前だった夏のカキ。ここ10数年で全国的に知名度アップ。磯の風味とクリーミーな味わいで海のミルクとも呼ばれる。太平洋側の岩場で、15~25cmほどまでに成長。ゴツゴツとして岩のようだが中は純白。

【料理方法】
レモンをひと絞りして、生のままでツルンといくのが一番。
醤油を垂らして炭火で焼いても香ばしい。フライにしても美味。

旬の時季
岩ガキ   初夏~秋口  

【半島暦】
7月伊良湖海水浴場海開き。6~7月、日出の石門からずっと続く砂浜、片浜十三里にアカウミガメが産卵に。9月上旬トライアスロン伊良湖大会。

アオヤギ

【メモ】
一見ハマグリに似ているが、より殻が薄く壊れやすい。バカほどたくさん採れるから(?)バカ貝。舌と呼ばれる部分の鮮やかなオレンジ色はカロチン(ビタミンA)で、ガン予防や皮膚・粘膜・骨・歯を丈夫にする効果があるとか。

【料理方法】
舌のように見える足の部分を食べるが、剥き身全体も食用。絶品の寿司種になる。2つの貝柱はあられや小柱と呼ばれ、かき揚げ、酢の物、和え物に。

旬の時季
アオヤギ   (晩冬~初春)  

【半島暦】
大晦日から元旦、伊良湖神社にて「ごせんだら祭り」開催。海洋民族らしい雄大な火祭り。

ニシガイ

【メモ】
ニシガイは通称で、正式名称は赤ニシ。殻の内側が真っ赤に染まるのでこの名。
ニシガイのエサは昆布ゆえ旨くて当然とか。

【料理方法】
造りは、ぬめりがありアワビのよう。つぼ焼き、ステーキにすると磯の香りが強く、歯ごたえもぎゅっぎゅっとして、噛めば噛むほどいい味。白味噌のヌタにすればほろ苦さが上品。

旬の時季
ニシガイ   (晩冬~初春)  

【半島暦】
1~3月は菜の花まつり。午後6時に点灯する菜の花ライトアップをぜひ。

本ミル貝

【メモ】
別名ミルクイ。今やアワビより希少な幻の貝。海の中の最高級品。寿司屋では時価で出すところも多い。上品な食感と強い旨み、噛むほどに甘味が広がり後口もしっかり。貝好きなら余韻に浸ってうっとりしてしまうはず。殻長10~25cmほどの大きな二枚貝で、殻表は暗褐色。

【料理方法】
主な食用部分は水管で、黒い皮を剥いて軽く湯通ししてお造りで食べるのが一番。ちょっと炙れば、さらに甘みが増して、これまた絶品。

旬の時季
本ミル貝 晩冬~夏場    

【半島暦】
1~3月は菜の花まつり。1~5月中旬は、いちご狩り&食べ放題も。

白ミル貝

【メモ】
通称白ミル、和名はナミガイ。本ミル貝とは別種。白っぽい貝に20~30cmの水管がにょろりと出ている。本ミル貝に比べると若干クセのある味わいだが、大きい上に価格は半額から3分の1以下と廉価なので価値は高い。

【料理方法】
長くのびる水管が食用で、開いて湯通しし、皮を剥いて使う。造りがいいが、最近は寿司ネタとしても定着。炭火でちょっと炙って塩で食べれば甘み倍増。

旬の時季
白ミル貝 晩冬~夏場    

【半島暦】
4月第3日曜日、伊良湖神社にて「おんぞ祭り」開催。

ナガラミ

【メモ】
3cmほどの可愛い巻き貝。一つ一つ微妙に模様が異なっている。ナガラミまたはナガラメは渥美の呼び名。正式名称はダンベイキサゴ。
太平洋岸の砂地に広く分布。渥美では大量に塩ゆでして酒の肴に供する。

【料理方法】
塩ゆでしてそのまま爪楊枝でほじくり出して食べたり、醤油と酒などで煮付けにしたり、蒸してヌタ(酢味噌和え)にする。酒の肴に最高。

旬の時季
ナガラミ 1年中

【半島暦】
動植物もいっぱいの渥美。6~7月アカウミガメの産卵、秋の風物詩は夜イルミネーションが輝く電照菊のハウス。9~10月は、タカの渡りを見るために愛鳥家が大集合。